免疫グロブリン エレメント セルフライナーノーツ
免疫グロブリンの2ndアルバムがついに完成しました。1stアルバムを出したのが2015年1月末だったので、約3年ぶりとなります。1stを出した頃にはもう新曲を作り始めていて、すでに2枚目制作モードにあったのですが、社会人バンドゆえの、個人の事情が色々と絡みこんなに時間を要してしまいました。
しかし、闇雲に時間を費やした訳ではなく、前作と比べると明らかにアイデンティティーを持ったグロブリンを形にすることができました。1stアルバムのタイトルは「トライアル」。オリジナルのCDを作ってみたい!という衝動をそのままパッケージしたアルバムです。「トライする」という勢いと同居していたのが「不安感」で、既存のJ-POPに則らないといけないのではないか?という気持ちと、自分達の表現をしたいという気持ちとがせめぎ合っている様子が、アルバムから読み取れます。
その過程を通り抜けて出来上がったのが今回のアルバム「エレメント」です。作曲も作詞も演奏も、より自由な発想で、色とりどりの曲達が生まれました。あまりにも色とりどり過ぎて、どう1枚にまとめれば良いのかと暗礁に乗り上げそうになった時、「エレメント」というタイトルが浮かんだのです。メンバー個人個人がアイデンティティーを強め、グロブリンの構成成分の一員であるという意味、色とりどりの楽曲が寄り集まって一つのアルバムを作り上げるという意味。さらに掘り下げて言うと、今回は大自然を感じるような曲が多く、「地」とか「水」とか、本当にそういうエレメントで出来ており、それを日が出てから沈むまでの時間軸をイメージして並べました。バラバラだけど一つだし、一つだけどバラバラで、関係ないようで関係していて、終わったようで続いていく。そんなこんなをひっくるめて「エレメント」というタイトルに込めました。
今回はこのコンセプトを、ジャケットデザインにもしっかりと反映させました。是非ともお手に取っていただき、曲を聴きながら、表も中身も盤面も、物語を読むように眺めていただけたらと思います。
「守破離」で言うならば、守から破へ進化したグロブリンを感じてください。CDで、ライブで、お会いできるのを楽しみにしています。
Vo.中野明香里